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「きらら方式」の前にある壁

 山口県宇部市のコミュニティFM「FMきらら」は2002年7月14日の開局以降18年間黒字経営を続けているそうです。そのためのノウハウは「きらら方式」と呼ばれているようです。  「きらら方式」の存在はコミュニティFM紹介ブログ「コミュニティFM大図鑑」で知りました。  低価格の広告料や、すべてを自社製作・生放送(後述)するなどの、井上氏のCI戦略に基づいた独特のビジネスモデル、いわゆる「きらら方式」で開局1年目から単年度黒字を計上して、以降毎年黒字経営を続けています。このノウハウを基に、他地域でのコミュニティFM開局支援も行っており、中国・四国・関東を中心に26局(2020年10月現在)の支援実績があるほか、数冊の著書も出版しています。  FMきららは開局当初から、先述のようにコミュニティFMの事業規模に合わせたビジネスモデルを展開していて、黒字計上を続けています。例を挙げると、低価格の広告料(20秒のスポットCMは税抜500円から)、外部の配信は受けずすべて自社製作してかつ生放送する、スタッフは地元から採用するが、ボランティアスタッフは採らない、個人や事業者向けの会員制度を設ける、などを実施しています。他のコミュニティFMで類似のことを行っている局は、概ねここの開局支援を受けています。 ( FMきらら-山口県宇部市 : コミュニティFM大図鑑 )  「きらら方式」を検索したらWikipediaにも載っていました。 FMきららは開局以来黒字経営を続けていることで知られている。コミュニティFMに見合った低コストの運営モデルを発案・実践を行っているためである。 ・24時間放送をせず深夜は放送休止(フィラー音楽も流さない) ・全番組が生放送 ・他社からのネット番組も流さずすべて自主制作 ・曲を流した直後にCMを必ず流す ・個人・法人の会員クラブを結成 ・CM料金を格安に設定(格安なため結果出稿数が増す) このビジネスモデルは自社グループだけで展開するのではなく、新規開局するコミュニティFMにもコンサルティングを行うため合同会社 コミュニティメディア開発推進機構を設立し、全国に広がっている。 きらら方式を採用する局 山口県内の放送局 ・ぷらざFM(防府市) ※MUSIC BIRDからの番組ネットや音楽フィラー番組で24時間体制

新庄コミュニティーFM(仮称)「あすラジ」が開局するらしい

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 山形県新庄市にコミュニティFMが開局するそうです。現在、総務省に放送免許申請中だそうです。 ・新庄コミュニティFM   https://fm-shinjo.com/  スクリーンショット(2021/1/11)  開局前のホームページ(市民株主募集のごあんない)には次のように書いてあります。 いま、新型コロナウイルス禍や豪雨災害などもあり、全国の地方都市が、さらに元気をなくしています。 新庄市も例外ではありません。 実は、地方が元気を失うひとつの理由が、コミュニケーションの不成立です。 おいしいお店、専門的な知識を持つお店や、すぐれたノウハウを持つ事業者、面白いイベントがあっても、そのことが伝わっていなければ、ないのと同じです。 まちには、さまざまな分野で頑張っているひとがいます。 そのことが伝わって、まちのひとが利用し、参加して、まちは元気になります。 このコミュニケーションの成立をお手伝いするのが、 新庄コミュニティFM(仮称)です。 コミュニティ放送は、地域限定の放送局 コミュニティ放送は、放送エリアを限定しています。 開局する新庄コミュニティFM(仮称)は、新庄市とその周辺市町村の情報を中心に放送する 「新しいメディア」です。 たとえば・・・ 「季節の生菓子、本日から販売です。 新作の菓子も同時発売します」 「市民プラザで、○○展を開催しています。是非おいでください」 「うちのイヌがいなくなりました。特徴は○○です。見かけた方は連絡をください」 「人手が足りなくて、明日の○時から○時まで○○の仕事手伝ってください」 「○○付近で、交通事故が発生し、現在通行止めです。○○方面に迂回してください」 「○○川がまもなく危険水位に達します。○○地区の皆さんは、○○へ避難してください」 「学校帰りの児童が不審者に声をかけられました。地域全体で一層の見守りをお願いします」 などなど新庄市及びその周辺の情報や、 医療・福祉、法律、子育てなどの様々な情報を、毎日「生」で放送します。  2020年12月10日の朝日新聞の記事にも次のように書いてあります。  あすラジは新庄市内の約8割をカバーし、午前7時から午後8時まで放送予定。ニュースなど中央の番組を使

伝えたいメッセージは?誰に向かって?

 昨年の12月にこんなツイートを見ました。 制作会社の社長さんと「ラジオが大好きで」と業界の門を叩いてくる若者のほとんどが、芸人やアイドルが担当する華やかな深夜番組みないなものばかりイメージしてて、実際に地味な生活情報番組とか担当して思ってのと違うと辞めていく。でも多種多様な番組があるのがラジオなんだという話をした。 — 佐々木 智之(ごるっち)ラジオディレクター (@gorucchi3) December 15, 2020 『「ラジオが大好きで」と業界の門を叩いてくる若者のほとんどが、芸人やアイドルが担当する華やかな深夜番組みたいなものばかりイメージしてて』に「そうかもしれない」と思いました。  このツイートを見たのが2020年12月15日で、その一週間後の2020年12月22日にNHKの特別番組『2020挑戦 コロナ禍のRADIO 「大学生のリアルを届けて」』を見ました。 ・NHKオンデマンド | 2020挑戦 コロナ禍のRADIO 「大学生のリアルを届けて」   https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2020111245SA000/?spg=P202000226900000 ・2020挑戦 コロナ禍のRADIO 2020/12/22(火)22:45 の放送内容 | TVでた蔵   https://datazoo.jp/tv/2020%E6%8C%91%E6%88%A6+%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E7%A6%8D%E3%81%AERADIO/1427686  アナウンサーを目指していた大学生がゼミの仲間と大学生の様々な声を伝える番組を校内ラジオで放送していたら地元FM局で放送されるようになったんだけど、コロナ禍で収録場所だった大学に入れなくなって自宅に機材を持ち込んで一人で放送するようになったそうです。残念ながら大学生の声を伝えるのではなく自分のことばかり話す放送になってしまいました。彼女は誰に向かって放送しているのか分からなくなり「やりたくてやっているけど、あまり意味のあるラジオじゃない。中身があまりないから」と自覚していたようです。一人で放送を始めてから5か月後の10月にラジオを監修するゼミの教授に呼ばれて「ラジオってやっぱり言葉と共感じゃないですか。あえて言うとすれば、

お便り募集のメッセージフォームはGoogleフォームが便利

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 このブログは原則的にコメントを受け付けていないのですが、昨年末の記事だけはコメントを受け付ける設定にしました。最近流行りのnoteは有料会員にならないとコメント欄をOFFにはできないそうで、届いたコメントを気にしてしまう人はコメント欄をOFFにできるブログの方がお勧めです。  さて、ラジオでお便りを募集する時はメールを使うのが一般的だと思いますが、ブログを開設している場合はブログのコメント欄も利用できます。でも、私ならホームページにメッセージフォームを設置したいです。  ちょっと調べてみましたが、メッセージフォームを作るには通常はプログラミングの知識が必要なようです。ところが、最近は「Googleフォーム」を使って簡単にメッセージフォームが作れるようです。例えば、次のようなメッセージフォームを作ることができます。このブログに昨年書いたコーナー案を基に作りました。  Googleフォームは「Googleドライブ」の中にあります。 ・Googleドライブ   https://drive.google.com/drive  ログインしていると「マイドライブ」のページが自動的に開いて、左上に「新規」のボタンがあります。それをクリックすると、中に「Googleフォーム」がありますから、それを選択します。するとGoogleフォームを作るページが開いて、後は試行錯誤すれば簡単に作れます。  未記入では送信できない必須項目と未記入でも送信できる項目のどちらも用意できます。上のサンプルではラジオネームとコーナー名とメッセージは必須ですが、聴取場所のアンケートは必須ではなく教えてくれる人だけに記入してもらうようになっています。  電子メールなどメッセージフォーム以外でお便りを募集する際は、どのコーナーへのお便りなのか分かるように書いてもらわなければいけません。上のサンプルのようなメッセージフォームを作れば、どのコーナーへのお便りなのか確実に分かります。統計機能もあるようなので、どのコーナーへのお便りが多いか数えなくても分かるかもしれません。  お便り募集のメッセージフォームを作りたい人はGoogleフォームを使ってみましょう。 タグ: ラジオ メッセージフォーム 2021-01-05 21:00

夢を活かす

 明けましておめでとうございます。  昨年は原則として月曜日から金曜日に毎日新しい記事を公開していましたが、今年は気が向いたら記事を書いて公開したいと思います。今年もよろしくお願いします。  ところで、初夢は見ましたか。初夢に見ると縁起が良いものとして「一富士二鷹三茄子」などと言われていますが、調べてみたら起源にはいろいろな説があるようで、自分とは関係ない人がたくさんいそうです。初夢に限らず夢を見たら解釈したくなるもので、インターネットで調べると情報がたくさんあります。それぞれに根拠があるのだと思いますが、私は夢の解釈は見た人の背景や環境によって異なるものだと思っています。  実在するのに見たことがないものが夢に出てくることは稀で、たいていは見聞きしたものや体験、それぞれに対する思いが夢に反映されるのだと思っています。要するに感情を含めた記憶が夢に反映されるのだと思っています。例えば、富士山で遭難したことがあって怖い思いをしたり、鷹に襲われて怖い思いをしたり、ナスを食べてお腹を壊したことがあってナスが嫌いだったりしたら、富士も鷹も茄子も夢に出てきたからと言って縁起の良いものだとは思えないでしょう。夢を見たら一般的な解釈を参考にしつつも、夢を見てどう感じたか、夢の中のそれぞれのシーンに対してどう思ったかを大事にして、夢を解釈するよりも、夢を楽しんだり活かしたりした方が良いと思っています。  河合隼雄さんの「明恵 夢を生きる」という本に、こんなことが書いてありました。講談社+α文庫の43ページからで、第一章の一部です。  セノイ族は少なくとも数世紀にわたって、警察、監獄、精神病院の類を一切必要とせず、すべての成員が平和に暮らしてきた、きわめて珍しい部族である。この部族の生き方を長年にわたって丹念に調査した人類学者スチュアートは、その秘密が彼らの夢分析の能力あることをつきとめたのである。  セノイ族は夢を非常に大切にする。朝食の時間に、年長者は幼少の者たちの語る昨夜の夢について耳を傾けて聴いてやる。そしてたとえば、小さい子が、どんどん下に落下してゆく夢を見て怖くて目が覚めてしまったなどと語ると、父親は「それは素晴らしい夢を見たものだ。ところで、おまえはどこへ向かって落ちていった? 途中でどんな景色を見た?」と聞く。子どもが怖くて何も見ない前に目が覚め