ラジオの映像配信について

 いちはらFMの「元気なラジオ HyperWave」はスタジオの様子を最初はUstreamで、後にYouTubeで映像配信していました。おかげでラジオの電波が届かない所でも放送を聴くことができました。

 Ustreamの時もそうでしたがYouTubeライブで配信する時にCMや音楽は流せないようです。リクエスト曲は聴くことができないし、トーク中のBGMも聞こえません。CM中は無音の状態が続いて退屈です。それでも映像配信を始めたのはできるだけ多くの人に聴いてほしかったからでしょう。でも、いちはらFMはコミュニティFMです。市原市民のためのラジオ局のはずです。市外の人に聴いてもらう必要はあるのでしょうか。市内でもラジオで聴けない所が多いので、そのような所にいる人が聴くには映像配信があった方が良いでしょうが…。
 Ustreamが無料で利用できなくなった時のことです。HyperWaveを映像配信できなくなりました。YouTubeライブによる配信が始まるまで、このまま映像配信が無くなってもいいんじゃないかと思いました。問題があるとしたらリアルタイムでパーソナリティとコミュニケーションできるチャットが使えなくなることくらいでした。チャットの代わりにツイッターが使われていましたが、タイムラインが荒れるので気軽にツイートすることはできませんでした。ハッシュタグを付けて気軽にツイートしていればHyperWaveの宣伝にもなったし、Ustream時代はツイッターとの連携で宣伝になって視聴者を増やしていたラジオ番組もあったようです。HyperWaveはツイッターとの連携を利用しませんでしたし、映像を残さない設定にしていたせいで宣伝効果は低かったようです。
 Ustream配信の時だったと思います。Ustreamが不安定で、パーソナリティに「Ustream配信は必要かな?」という趣旨のことを尋ねたことがあります。そのパーソナリティは「できるだけ多くの人に聴いてもらえるように必要」という趣旨の答えだったような気がします。実は私には別の思いがありました。パーソナリティが「無くても良い」と答えていたら私も映像配信は必要ないと確信したことでしょう。その時に私が思っていたのは、ラジオが聴けない市原市民のための映像配信ではなく、パーソナリティの宣伝のための映像配信でした。ギャラが貰える仕事としてのメリットはあるかもしれませんが、東京都や埼玉県に住んでいるパーソナリティが千葉県の片田舎の市原市まで時間をかけてやって来てパーソナリティを行うことにメリットがあるとは思えませんでした。いちはらFMはサイマル配信もしていないので彼らがメインで活動するエリアでは放送を聴けず、「ラジオパーソナリティをやっています」と言っても証明できない状態でした。履歴に書けるような実績になるとも思えませんでした。でも映像配信されていれば東京都でも埼玉県でも見ることができます。本当にパーソナリティをしている証明にもなりますし、映像を見てファンになってくれる人がいるかもしれませんし、仕事の関係者が映像を見て高く評価すれば彼らの本来の仕事に繋がるかもしれません。そんなことを考えていました。そんな理由で「映像配信は必要だ」と思っていました。
 残念ながら映像配信をしても見てくれる人は数人だったり一桁の時ばかりで少なかったので、いちはらFMをラジオで聴けない人の役に立っていたとも思えないし、パーソナリティの宣伝にもなってなかったと思います。私はスタジオまで会いに行かなくてもパーソナリティの姿が見られたので嬉しかったのですが、パーソナリティの負担になるのなら映像配信は必要なかったような気がします。HyperWaveは放送機材の操作もパーソナリティが行なうワンオペでしたから作業を増やさない方が良いでしょう。

 他局では映像配信をして全国にリスナーが増えてお便りも増えて成功している所もあります。全国のラジオ局が次々にUstream配信を始めた頃のことを私は知りません。もしかしたらリスナーを増やす戦略だったのかもしれません。私が試しにいくつかのコミュニティFMのUstream配信を見に行った時は視聴者が私一人だけだったことが多かったので、上手にやらないと成功しないのでしょう。いちはらFMがUstream配信を始めた頃のことを私は知りません。もしかしたら初期の頃は視聴者が多くてリスナーも多かったのかもしれません。そうだとしたら、減ってしまったのはどうしてでしょう。昔の、初期のパーソナリティが行なっていたUstream配信を見られないのが残念です。残しておいてライブ中に見逃した人も見られるようにしておけば、もしかしたらリスナーが増えたのかもしれません。残念です。

 ラジオの映像配信から離れてYouTubeの再生数のことを考えると、やはり再生数が多い映像にはそれなりの理由があります。要するに内容で決まります。そう考えると、ラジオの映像配信も面白かったり役に立ったりなど見られる理由が無ければ視聴者は増えないでしょう。シェアされるなど他の人にも見せたいと思える内容でなければいけません。音声で伝えるラジオの映像配信ですから、まずは音声です。結局はラジオが面白くなければ視聴者は増えないでしょう。そして、映像配信するのならスタジオの様子を映すだけでなく、映像でも楽しめるような何らかの工夫が必要なのかもしれません。その両方が揃って初めて視聴者が増えるのかもしれません。

 「映像配信を行うのならば」という前提で少し書いちゃいましたが、コミュニティFMの場合は音声をサイマル配信していれば全国で聴けますから、リスナーを増やす手段としてはそれで十分で映像配信は必要ないと思います。ただし、コミュニティFMのサイマルラジオはリアルタイムでしか聴けません。radikoのように聴き逃しても一週間以内なら聴けるタイムフリー機能がありません。ですから、音楽はカットせざるを得ないとしても、聴き逃した人のためにトークの部分をYouTubeで残すことには賛成です。その際に映像があれば、音声だけよりも再生数が増えるかもしれません。ラジオのYouTube配信を行っている皆さん、頑張ってください。