メッセージテーマが在り来たりになりがち

  コーナーを複数用意してお便りを募集しているラジオ番組もあるのですが、メッセージテーマを設けて、そのテーマに沿ったお便りを募集してる番組が多いような気がします。私が聴いていたいちはらFMの「元気なラジオ HyperWave」もそうでした。


 師走になったこの時期のメッセージテーマは「冬になると食べたくなる物」とか「この一年でやり残したこと」など季節に合わせたものが多くなりがちでしょう。記念日であれば記念日に関するテーマにする所が多そうです。
 さて、一人のパーソナリティの番組だけを聴いていれば、メッセージテーマを設けてお便りを募集することに何の疑問も感じなかったでしょう。でも、いろいろな番組を聴いていると「こっちでもこのテーマか…」と思うことがたびたびあるんです。それでもリスナーが異なるはずですから、別の番組で同じメッセージテーマになっても問題は無さそうです。私はたまたま両方の番組を聴いていただけで、そんな人は稀かもしれません。

 この「同じメッセージテーマになってしまった」問題はいちはらFMの「元気なラジオ HyperWave」を聴いていた時にたびたび起こりました。「元気なラジオ HyperWave」は毎週月曜日から金曜日の生放送で9人のパーソナリティが交代で放送していました。リスナーが推しのパーソナリティの放送だけを聴いてお便りを出していれば良いのですが、私を含めて同じリスナーがほぼ全てのパーソナリティにお便りを出していました。その状態で同じメッセージテーマになったら、同じメールをそれぞれパーソナリティに送れば良いのでしょうか。リスナーは文章を変えたり一人のパーソナリティにしか出さなかったりして工夫していたようです。
 文章を変えるのはリスナーにとって負担ですから、お便りは少なくなります。同じ文章でメールしたら、同じ文章が何度も読まれることになります。聴いている他のリスナーは「またかよ」と思うことでしょう。
 「同じメッセージテーマになってしまった」問題は複数のパーソナリティの間で起こるだけではありません。同じパーソナリティが何年も放送していると、一年に一回は同じ季節がやってきます。その度に同じメッセージテーマにするのでしょうか。リスナーも変わってないと、毎年同じような内容のメールを送ることになります。はっきり言って、飽きます。
 パーソナリティの中には同じメッセージテーマを設けないように頑張っている人もいましたが、何年も続けていて、パーソナリティがたくさんいる状態では限界があるでしょう。しかも、同じ局の他の番組、他局の番組とも同じにならないようにするなんて無理です。いろいろな番組を聴いていると「あっ、あのリスナー、この番組でもメールしてる」と思うことがあります。メールの内容までは覚えていませんが、同じ内容のメールを出していても不思議ではありません。

 この「同じメッセージテーマになってしまった」問題はリスナーがたくさんいる状態では問題になりにくいかもしれません。パーソナリティが読むメールを変えれば良いのですから。同じ局の他の番組、他局の番組で同じメッセージテーマになっても同様です。別のリスナーのメールを読めば良いのですから。「元気なラジオ HyperWave」の場合は、メールを出すリスナーの人数よりもパーソナリティの人数の方が多かったような気がしますが…。
 ただ、同じリスナーのメールを読まずに済むようになったとしても、書かれている内容はリスナーによって大差なかったりします。それはリスナーを飽きさせることにならないでしょうか。街角で、喫茶店で、ファーストフード店で、その他にもいろいろな場所で同じような話をして楽しんでいる人たちは気にならないかもしれません。でも、私は「新しさ」を求めてしまうんです。在り来たりの話は「聴かなくてもいいや」と思ってしまうんです。
 面白い話なら違うかもしれません。好きな曲なら同じ曲を何度聴いても飽きないように、面白い話なら同じ話を何度聴いても飽きないかもしれません。むしろ何度も聞きたくなるかもしれません。在り来たりのメッセージテーマを設けてお便りを募集しているパーソナリティの皆さんは、そんな面白い話のお便りを選んでいますか。お便りをくれるリスナーが少ない状態では選びようがないかもしれませんが…。