地域住民が聴きたくなるコミュニティFMの番組は?

 試しにラジオ番組を聴いてつまらなかったら二度と聴かないでしょう。続けて聴いてもらうためには、聴きたいと思うような番組内容でなければいけません。

 NHK、TBS、文化放送、ニッポン放送、bayfmなど大手放送局と同じような番組を作っても聴いてもらえません。有名なタレントがパーソナリティで、面白い番組を作るプロである放送作家がいる番組よりも面白くなるはずがありません。大手放送局では作れない番組を作らなければいけません。

 大手放送局が作れない番組の一つは、地域情報が満載の番組です。NHK-FMの千葉放送局は千葉県の情報を放送しやすいですが、NHKですから全国放送の番組が中心ですし、bayfmは千葉県の放送局ですから千葉県の情報は満載ですが、市原市の情報ばかりは放送できません。それに対して、いちはらFMは市原市の放送局ですから、市原市の情報だけを放送することが可能です。市外の情報を知りたければ他局を聴けば良いのです。
 市原市の情報を放送するには市原市の情報を集めなければいけません。市内を歩き回って集めるのが基本ですが、とりあえずは「広報いちはら」があります。「広報いちはら」に載っている情報は多くのことが省略されていると思うので詳細情報を確認して放送すれば良いと思います。「いちはら議会だより」もかなり省略されているので、質問した議員の所に行って詳細を取材して放送しても良いでしょう。議会の音声を録音して放送しても良いかもしれません。ワークショップが開かれていることがあるので、その様子や話し合われた内容を放送しても良いかもしれません。
 もっと気楽に市内のスーパーのチラシの情報を伝えても良いかもしれません。市民が自分でチラシを見れば分かることなので放送は必要なさそうですが、チラシには知りたい情報が詰まっているはずで、ラジオで聴くことで知ったり思い出したりすることもあるでしょう。チラシの情報に限らず、市原市内のお店の情報も良いかもしれません。リスナーが食べてみたくなるような美味しい料理やスイーツを紹介できれば、それを聴きたいリスナーが増えそうです。ただし、いちはらFMで流れる有料のCMとの兼ね合いがちょっと気になります。CM契約をして有料で店を紹介している所もあれば無料で紹介してもらえる店もあることになるので、その区別が気になります。
 天気予報は市原市の天気を予想して放送しても良いかもしれません。気象庁の「高解像度降水ナウキャスト」を見れば1時間後までの市原市上空の雨雲の動きを予想できます。

・気象庁 | 雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト)
 https://www.jma.go.jp/jp/highresorad/

 市原市の道路の情報は渋滞などがあった時に伝えられたら良いと思いますが情報収集が難しいかもしれません。道路の情報に限らず、市民から情報を寄せてもらうと良いかもしれません。桜の情報、紅葉の情報、里山の花の情報など、そこにいた人でなければ分からない情報をメールやツイッターなどで知らせてもらって、それを放送しても良いかもしれません。
 里山で思い出しましたが、市原市にはいろいろな市民団体がありますので、それらの活動報告を放送しても良いかもしれません。活動予定があればそれを放送して参加を呼び掛けても良いかもしれません。いちはらFMには既に「イチラジ!」という番組がありますが、ちょっと期待外れな感じです。

 市原市の情報を伝えるのなら、市原市の住民にパーソナリティになってもらって自分の身近なことや活動などを話してもらっても良いかもしれません。
 ここで一つ、いちはらFMの経営に関して知りたいけれど分からないことを書いておきます。それは賃金、出演料のことです。
  1. 元気なラジオ HyperWave、いちはらFMワイド、スイーツオンウェイブ、桂歌若のおはよういちはら、祝井ゆかのハッピーロード、長田照代のいけいけJUMBOです、長田照代のパイロットステージ、大澤和子の聞いてくれがいよ!など、いちはらFMの各番組のパーソナリティの賃金(ギャラ)は幾らなのでしょうか。
  2. 各番組のパーソナリティの友人や知人がゲストとして出演した場合の出演料は幾らなのでしょうか。

 これはとても重要なことで、いちはらFMではボランティアパーソナリティを募集しているのですが、パーソナリティに賃金を支払う気が無いということで、交通費でさえも自己負担を求めています。さらには、番組枠を売りたいようで、これはパーソナリティに賃金を払わないだけでなくパーソナリティにお金を支払ってもらう仕組みです。同じパーソナリティという仕事なのに賃金を貰ったり貰わなかったり、逆に料金を支払ってやらせてもらうことになったりすることになります。その区別はどう考えれば良いのでしょうか。賃金を貰ってパーソナリティをやっている人がいるのに、賃金を貰わずにパーソナリティをやりたいと思うでしょうか。料金を支払ってまでパーソナリティをやりたいと思うでしょうか。そんな状況では私ならパーソナリティをやりたいと思わないです。他局ではどうしているのでしょうか。
 自分の店を宣伝する番組や、自分でスポンサーを見つけてきて放送する番組であれば、放送局から賃金を貰わずに放送しても良いかもしれません。宣伝費用として放送局に料金を支払っても良いでしょうし、スポンサーに番組枠の料金を支払ってもらっても良いかもしれません。ただし、お金を支払ってまで番組枠を持つことにメリットがなければいけませんし、まずはたくさんの人が聴いてくれることが前提です。番組枠を買ってもらいたければ放送局はリスナーを増やさなければいけません。電波を届きやすくして、多くの住民が受信できる環境を整えなければいけません。

 さて、地域情報が満載の番組で思い浮かぶのは、市役所などからの公的な情報、地域のイベント情報、地域のお店の情報、市民団体など地域で活躍している人たちの情報など、目で見える情報ですが、目で見えない情報を伝える番組があっても良いかもしれません。目で見えない情報というのは、地域住民の思いです。大手のラジオ局の番組にお便りを出して、自分の身近なことや自分の思いが読まれることがありますが、それは稀で、なかなか読まれません。読まれたらラッキーという感じです。コミュニティFMに地域住民からのお便りを読んで地域住民の声を伝えるコーナー、あるいは番組があれば、大手放送局に出したお便りも読まれやすくなるでしょう。パーソナリティーに向けた「寒くなりましたね」なんて在り来たりのお便りに限らず、日頃感じている不平不満や市政に対する意見など何でも読めば、パーソナリティだけでなくリスナー、放送を聴いている住民に思いを届ける手助けができます。共感してくれる住民がたくさん現れて返事のようなお便りが放送局に届くかもしれません。
 実は東日本大震災の後に東北に作られた臨時災害FMでは、放送局の人が被災した住民の所に行って今の思いなどの話を聴いて、その住民の声を伝えていました。臨時災害FMに限らず、放送局の人が住民の所に行って話を聴いてくるのはよくあるケースだと思います。人手が足りないのなら、住民の方から声を届けてもらっても良いのではないでしょうか。それこそ、地域住民が参加する地域情報満載のコミュニティFMになります。地域住民がパーソナリティをやって自分の思いを伝えた場合は一人の声を伝えるだけですが、地域住民の誰でもお便りを出せばほとんど読まれるとしたら、言いたいことがたくさんある人は喜んでお便りを出してくれるかもしれません。もちろん、ヘイトスピーチなど放送できない声は除外しなければいけませんが…。

 地域の姿、地域で起こったこと、これから起こること、そして地域住民の声を伝える放送局。それがコミュニティFMのあるべき姿で、そんな番組であれば、地域住民が聴きたくなるのではないでしょうか。もちろん、人気の地域住民がパーソナリティを行った場合は、そのパーソナリティの個性を生かした番組やコーナーだけでも良いですが、私ならいろいろな地域情報が聴きたいです。地域住民の声が聴きたいです。そして、私も自分の思いを伝えたいです。